2016-254:糸魚川大規模火災 - 2016.12.23 Fri
「風強く、どんどん飛び火して…」 糸魚川の大規模火災
料理店付近から上がった炎は強い南風にあおられて次々に燃え広がり、木造住宅が密集する中心街は火に包まれた。
新潟県糸魚川市で22日、約140棟が延焼した火災は、東日本大震災を除いて、過去20年で国内最多の焼損棟数となった。
避難所に身を寄せた人々は、震える夜を過ごした。

22日15:02

22日16:57
新潟県糸魚川市で大規模火災 140棟延焼、避難勧告も
火災は火元から北へ約300m、東西約250mにわたって燃え広がった。
糸魚川市消防本部によると、午前10時28分に119番通報があり、7分後には消防車が到着。
当初は6台で消火にあたった。
消防士らは火元の火の勢いを抑えようとしたが、狭い道も多く、住宅密集地でもあるため、放水作業ができる箇所が限られていたという。
小野浩・消防防災課長は「風が強く、どんどん飛び火して、消火作業が追いつかなかった」と説明する。

当時、日本海の低気圧に向かって強い南風が吹いていた。
気象庁によると、糸魚川市では午前10時過ぎに14.2mの最大風速を記録し、最大瞬間風速は正午すぎに24.2mに達した。
この強風で「フェーン現象」が起きたと気象庁はみる。
山を越えた風が日本海側に吹き下ろす際、空気が乾いて気温が上がる現象だ。
糸魚川市では正午までに20度近くまで気温が上昇。
隣の上越市では湿度が40%台と乾いていた。

現場付近は商業地域に指定され、建ぺい率や容積率が住宅地より高く、木造の建物が密集する要因にもなっていた。
準防火地域でもあり、耐火性を高めなければならない防火地域より規制が緩かった。
同消防本部は通報から1時間半後の正午に近隣消防に支援を求め、午後0時半に新潟県に連絡した。
県内と富山県の計18の消防本部が応援に加わったが、火勢は夜まで衰えなかった。
消火活動が長引き、企業の生コン車や国土交通省の散水車も集めて水を補給した。
総務省消防庁の担当者は「現場に到着した消防隊は真っ先に火元から周辺への延焼防止にかかる。今回はそれを上回る状況だったかもしれない」と話す。
火災の規模と比べて、けが人が少ないとみられる点については「昼間の火災で周囲の住民が早く気づき、避難ができたのでは。夜に起きていれば、人的被害が増えた恐れがある」とみている。
(朝日新聞 2016年12月22日23時32分)
__________
延焼150棟・4万平方メートルと発表 糸魚川の火災
新潟県糸魚川市の中心部で起きた大規模火災で、市災害対策本部は23日午前8時現在、焼けた住宅や商店などは約150棟に上ると発表した。
22日よりも10棟増えた。
一方、約7万5千平方mとしていた延焼の恐れのある範囲を改めて確認したところ、実際に焼けたのは約4万平方mだったと明らかにした。
市は、被災した人の相談窓口も準備が整い次第設置する。
上刈会館、ヒスイ王国館の2カ所で、住宅再建や事業の再開、健康面などの相談を受け付けるという。
(朝日新聞 2016年12月23日10時25分)
__________
100m先に飛び火、強い南風で…消防士証言
昼前に発生した火災は折からの南風で見る間に広がった。
新潟県糸魚川市のJR糸魚川駅前の市街地で22日起きた大火は、古い町並みをなめ尽くすように約75000平方mを焼き、10時間以上たった午後9時前にほぼ消し止められた。
現場は雪よけのためのひさし「雁木(がんぎ)」が連なる市の中心部で、木造の商店や住宅が密集している。
消防士によると、ラーメン店は隣接店との間に隙間がなく、多方向からの放水が難しかった。
現場到着時には、火は既に他の建物にも広がっていた。
延焼を防ごうと1時間ほど消火活動をしていると、消防団員が「向こうでも煙が出た」と走ってきた。
現場からそれぞれ北西と北東に100mほど離れた2カ所の建物からほぼ同時に出火。
間の建物が無事だったことなどから屋根に飛び火したとみられる。
消防団に放水を依頼したが、下から屋根の火を消すのは難しく、火は屋内に侵入した。
こうした飛び火がこの後も続いたという。
国土交通省によると、各地の木造密集地について、燃え広がりやすさなどを基準に「地震時等に著しく危険な密集市街地」が指定されている。
今年3月末時点で16都府県で約4400haに上るが、東京都など大都市が中心で新潟県には指定地区はない。
ただ、糸魚川市史によると、今回火災があった大町周辺では1928(昭和3)年に105棟を、西側にある横町では1932(同7)年に380棟を全半焼する火災が発生。
たびたび大きな火災に見舞われた地域だ。
22日は、日本海に低気圧が発達し、北陸地方や北日本で強い風が吹き荒れた。
新潟地方気象台によると、糸魚川市周辺で低気圧に向かって南風が強まり、同市に午前5時過ぎから強風注意報が出ていた。
正午過ぎに最大瞬間風速24.2mを観測した。
(毎日新聞 最終更新 12月23日 01時36分)
料理店付近から上がった炎は強い南風にあおられて次々に燃え広がり、木造住宅が密集する中心街は火に包まれた。
新潟県糸魚川市で22日、約140棟が延焼した火災は、東日本大震災を除いて、過去20年で国内最多の焼損棟数となった。
避難所に身を寄せた人々は、震える夜を過ごした。

22日15:02

22日16:57
新潟県糸魚川市で大規模火災 140棟延焼、避難勧告も
火災は火元から北へ約300m、東西約250mにわたって燃え広がった。
糸魚川市消防本部によると、午前10時28分に119番通報があり、7分後には消防車が到着。
当初は6台で消火にあたった。
消防士らは火元の火の勢いを抑えようとしたが、狭い道も多く、住宅密集地でもあるため、放水作業ができる箇所が限られていたという。
小野浩・消防防災課長は「風が強く、どんどん飛び火して、消火作業が追いつかなかった」と説明する。

当時、日本海の低気圧に向かって強い南風が吹いていた。
気象庁によると、糸魚川市では午前10時過ぎに14.2mの最大風速を記録し、最大瞬間風速は正午すぎに24.2mに達した。
この強風で「フェーン現象」が起きたと気象庁はみる。
山を越えた風が日本海側に吹き下ろす際、空気が乾いて気温が上がる現象だ。
糸魚川市では正午までに20度近くまで気温が上昇。
隣の上越市では湿度が40%台と乾いていた。

現場付近は商業地域に指定され、建ぺい率や容積率が住宅地より高く、木造の建物が密集する要因にもなっていた。
準防火地域でもあり、耐火性を高めなければならない防火地域より規制が緩かった。
同消防本部は通報から1時間半後の正午に近隣消防に支援を求め、午後0時半に新潟県に連絡した。
県内と富山県の計18の消防本部が応援に加わったが、火勢は夜まで衰えなかった。
消火活動が長引き、企業の生コン車や国土交通省の散水車も集めて水を補給した。
総務省消防庁の担当者は「現場に到着した消防隊は真っ先に火元から周辺への延焼防止にかかる。今回はそれを上回る状況だったかもしれない」と話す。
火災の規模と比べて、けが人が少ないとみられる点については「昼間の火災で周囲の住民が早く気づき、避難ができたのでは。夜に起きていれば、人的被害が増えた恐れがある」とみている。
(朝日新聞 2016年12月22日23時32分)
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延焼150棟・4万平方メートルと発表 糸魚川の火災
新潟県糸魚川市の中心部で起きた大規模火災で、市災害対策本部は23日午前8時現在、焼けた住宅や商店などは約150棟に上ると発表した。
22日よりも10棟増えた。
一方、約7万5千平方mとしていた延焼の恐れのある範囲を改めて確認したところ、実際に焼けたのは約4万平方mだったと明らかにした。
市は、被災した人の相談窓口も準備が整い次第設置する。
上刈会館、ヒスイ王国館の2カ所で、住宅再建や事業の再開、健康面などの相談を受け付けるという。
(朝日新聞 2016年12月23日10時25分)
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100m先に飛び火、強い南風で…消防士証言
昼前に発生した火災は折からの南風で見る間に広がった。
新潟県糸魚川市のJR糸魚川駅前の市街地で22日起きた大火は、古い町並みをなめ尽くすように約75000平方mを焼き、10時間以上たった午後9時前にほぼ消し止められた。
現場は雪よけのためのひさし「雁木(がんぎ)」が連なる市の中心部で、木造の商店や住宅が密集している。
消防士によると、ラーメン店は隣接店との間に隙間がなく、多方向からの放水が難しかった。
現場到着時には、火は既に他の建物にも広がっていた。
延焼を防ごうと1時間ほど消火活動をしていると、消防団員が「向こうでも煙が出た」と走ってきた。
現場からそれぞれ北西と北東に100mほど離れた2カ所の建物からほぼ同時に出火。
間の建物が無事だったことなどから屋根に飛び火したとみられる。
消防団に放水を依頼したが、下から屋根の火を消すのは難しく、火は屋内に侵入した。
こうした飛び火がこの後も続いたという。
国土交通省によると、各地の木造密集地について、燃え広がりやすさなどを基準に「地震時等に著しく危険な密集市街地」が指定されている。
今年3月末時点で16都府県で約4400haに上るが、東京都など大都市が中心で新潟県には指定地区はない。
ただ、糸魚川市史によると、今回火災があった大町周辺では1928(昭和3)年に105棟を、西側にある横町では1932(同7)年に380棟を全半焼する火災が発生。
たびたび大きな火災に見舞われた地域だ。
22日は、日本海に低気圧が発達し、北陸地方や北日本で強い風が吹き荒れた。
新潟地方気象台によると、糸魚川市周辺で低気圧に向かって南風が強まり、同市に午前5時過ぎから強風注意報が出ていた。
正午過ぎに最大瞬間風速24.2mを観測した。
(毎日新聞 最終更新 12月23日 01時36分)
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